最近、物価上昇が話題になることが増えています。「決済動向2023年上期調査」でも「物価上昇を実感することがあるか」との設問を加えたところ、「よくある」と回答した人の割合は6割に達しました。「たまにある」も加えると、実に9割の消費者が物価上昇を実感しています。
それでは、物価上昇局面において、キャッシュレス決済やロイヤリティ施策は消費者のマインドにはどのように位置付けられているのでしょうか。クレジットカード、ポイントカード、コード決済アプリなどさまざまなサービスを列挙し、それぞれについて役に立つかどうかを聴取した結果が図1です。キャッシュレス派と現金派を分けて集計すると、それぞれの認識の違いが明らかになりました。
キャッシュレス派と現金派の割合や特徴については前回記事「キャッシュレス派と現金派、そしてキャッシュレス決済の弱点 ~決済動向2023年上期調査~」を参照ください。
現金派と比較すると、キャッシュレス派は、カードやアプリなどさまざまな施策を「役立つ」と評価する傾向にあります。クレジットカードは86%、ポイントカードは83%、ポイントアプリは80%のキャッシュレス派が役に立つと回答しています。
現金派ではポイントカードがトップで、77%が役に立つと回答、そしてポイントアプリの70%が続きます。面白いのはクレジットカードで、現金派の63%しか役に立つと回答していません。キャッシュレス派との認識相違が鮮明に出ています。
しかし折り込みチラシ、レシートクーポン、その他の紙のクーポンといった紙ベースの施策となると、キャッシュレス派と現金派の意見は低評価で一致します。現金派といえども、紙ベース施策は使いづらいと感じていることがわかりました。