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サムスン電子とループペイが描く非接触クレジットカード決済の将来

Fenton 1/Bigstock.com

2月18日(米国時間)、サムスン電子はループペイ(LoopPay)の買収を発表しました。ループペイは、通常の磁気カードと従来型の店舗端末の間で非接触決済を実現してしまう技術「magnetic secure transmission(MST:磁気セキュア伝送)」を持った、ボストンのベンチャー企業。サムスン電子は今後、ループペイ機能をGalaxyスマートフォンに搭載することで、非接触クレジットカード決済分野でAppleのApple Payに対応していく動きです。

ループペイによる非接触決済には、非接触ICチップ搭載カードやNFC対応端末は不要です。ループペイが提供するスマホケースを、磁気ストライプ対応の従来型決済端末にかざすことで決済ができてしまいます。その秘密はスマホケース。クレジットカードの磁気情報を送信することで、端末はカードスワイプすることなくカード情報を受け取ることができるのです。

2014年から何かと注目を集めているApple Pay。非接触決済の起爆剤ともなると期待されていますが、その大きなハードルはNFC対応加盟店でなければ利用できないこと。VisaのpayWave、MasterCardのPayPass、American ExpressのExpressPayが前提だからです。

一方ループペイの利用は、カードの切替えや端末の入れ替えなど一切不要で、既存インフラだけで可能です。ループペイによると米国の既存端末の90%以上で利用可能とのこと。非接触決済の普及の大きな障害である店舗開拓が不要で、ユーザーは、入会すればすぐに非接触決済の利便性を享受できることになります。

サムスン電子は2014年7月からループペイの戦略投資家だった模様で、提携の動きは2014年から報じられていましたが、今回の買収でMST技術を独占利用することができます。

2015年10月のVisaライアビリティシフトを目前に、決済端末のEMV対応が進む米国。サムスン電子の動きは、EMV対応が進む中でも磁気ストライプ決済が残ることを見越した一手です。Apple Pay対サムスン電子&ループペイ。将来の非接触決済シーンを担っていくのはどちらなのか、今後の動きが注目されます。

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