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日本のフィンテック最新動向 (第4回FinTech Meetup報告)

フィンテック(Fintech)とは金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービス領域で活動するIT系スタートアップの総称です。海外では大手企業によるFintech企業への出資や買収が活発化していますが、日本においてもフィンテック関連ニュースが新聞等のメディアを飾ることも多くなってきています。

そんな中、日本のフィンテック業界関係者や興味のある人が集まって情報交換・ネットワーキングする会としてスタートした「FinTech Meetup」。当社インフキュリオンもスポンサー企業としてその運営の一翼を担っています。

本稿では4月9日に開催された「第4回FinTech Meetup」の概要を報告します。

第4回目となったFinTech Meetup。スポンサー企業はMoneytree、boku、インフキュリオン、メリービズ、フィノベーション。会場スポンサーである株式会社ブレインパッドの大会議室での開催となりました。今回のテーマは「Ask the entrepreneur」、日本での有名フィンテックスタートアップの起業家たちにお集まり頂き、起業への思いや苦労をパネルディスカッション形式で語って頂くという趣向でした。

毎回参加者が増えていく当イベント、定員80名の参加者枠は事前登録で埋まっており、当日も会場はすぐに熱気に包まれました。

まずは会場スポンサーである株式会社ブレインパッドの佐藤清之輔取締役からの挨拶でプログラム開始。ブレインパッドはビッグデータを活用し企業の収益拡大に貢献することも目指しており、お金にまつわる様々な情報を扱うフィンテックとも親和性があると指摘。リアルタイムストリーミングデータ処理技術による可能性予測・異常性判定の応用で市民・社会に貢献していくとの力強い言葉で幕を開けました。

メインプログラムであるパネルディスカッション。5人のパネリストは

  • 久保渓氏(ウェブペイ株式会社代表取締役)
  • 北澤直氏(株式会社お金のデザイン取締役COO)
  • 杉山智行氏(クラウドクレジット株式会社代表取締役)
  • 林良太氏(株式会社Finatext代表取締役社長)
  • 妹尾賢俊氏(株式会社コインパス共同創業者兼COO)

というそうそうたる顔ぶれ。決済業界誌「カードウェーブ」編集長の岩崎純氏がモデレーターを務め、メリービス株式会社代表取締役の工藤博樹氏が要点を逐次英語に通訳するというスタイルで進行。パネルディスカッションは各パネリストの自己紹介から始まり、「なぜ起業のハードルが高いと思われるフィンテック分野で起業したのか?」、「決済を扱うフィンテックは多いが、本当に決済は収益性のある分野なのか?」、「最終目的は何か?」などについて活発な意見交換が行われました。

まずハードルが多いと思われるフィンテック分野でなぜ起業したのか?については、「起業がそんなに難しいと知らずに起業した」、という声や「市場においてビジョンやリソースが無い分野にうまくはまり、いろんな支援も得ることができた」、「金融はレガシー分野であり解決可能な課題がたくさんある、それに気づいてしまったら、解決のために努力する責任がある」といった声が聞かれました。金融分野での経験を積んできたパネリストたちが、社会や市場の課題の解決にフォーカスして活動してきたことが感じられました。

決済は収益性がある分野か?については、決済サービスの収益は利用金額のX%というように「収益の天井が決まってしまう」分野であることを指摘しながら、決済は融資・会計・広告など様々なBtoBサービスとのシナジーが起こせるユニークな領域である点が強調されました。

最終目的については、企業の責任者としてはやはりIPOなどのエグジットを目標としているとしながらも、お金の流れを円滑にすることで社会を効率化する、個人投資家を支援することで日本がリスクマネーを世界に供給するようにしたい、個人の資産運用を作り替えたい、銀行の役割が低下していく見通しのなか訪れた変革のチャンスを活かしたい、といった、金融を通して社会変革を目指すというビジョンが語られました。

国内においても活発化しているフィンテック、そのキーマンたちが集うFinTech meetupは今後も続いていきます。関心興味のある方、今後の参加を検討されてはいかがでしょうか。

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