今回は、世界の決済業界に関する重要な情報源であるニルソンレポート(Nilson Report)が報じた、米国個人消費におけるカード決済に関してご紹介します。
参考
- Nilson Report #1054 http://www.nilsonreport.com/publication_newsletter_archive_issue.php?issue=1054
ニルソンレポートによると2013年の個人消費額は11兆4840億ドル、そのうち財やサービスの購入でありカード決済の対象となるものは8兆9450億ドルでした。主な支払方法による取扱高は以下のとおりです。(括弧内は財とサービス購入額に占める割合です。)
- 現金:1兆5600億ドル(17%)
- 小切手:1兆500億ドル(12%)
- クレジットカード:2兆4900億ドル(28%)(※)
- デビットカード:2兆1100億ドル(24%)(※)
(※)ブランドカード以外も含む
クレジットカードとデビットカードを合計すると、個人による財・サービス購入の50%以上を占めており、さすがカード決済先進国という印象を受けます。また、米国と言えば小切手社会というイメージですが、小切手による決済は12%で現金の17%よりも低くなっています。
ニルソンレポートは、2018年の取扱高の予想も出しています。(括弧内は2013年からの成長率です。)
- 現金:1兆300億ドル(-34%)
- 小切手:5700億ドル(-46%)
- クレジットカード(65%)(※)
- デビットカード(49%)(※)
(※)ブランドカード以外も含む
米国におけるカード決済はますます伸びていき、現金や小切手の出番はさらに縮小してゆくとの見通しです。
日本においても2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催開催に向け、政府が主導してカード決済を普及させてゆく動きが明確になり、カード決済インフラ環境整備は加速してゆく見込みです。現金好きが多いといわれていた日本においてもここ数年でクレジットカード取扱高は順調に伸びています。日本のキャッシュレス化はどこまでいくのか、米国と肩を並べるところまでいくか、それとも日本独特の理由で一定の現金利用が残るのか。今後も日本のキャッシュレス化を見据えた活動を続けて参ります。