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中国デジタルバンク最前線(2)MyBankと事業者融資

中国インターネットエコノミーを牽引する2社といえば、ECの雄・アリババと「WeChat」で有名なテンセント。ハングリー精神とITの技術力を武器に新規ビジネスに参入し熾烈な競争を繰り広げ、その過程で様々な業界をディスラプトしている両社は、デジタルバンク設立で銀行業界にも進出しています。前回記事でテンセント系WeBankを取り上げたのに続き、今回はアリババ系MyBankについて考察します。事業概要とビジネスモデル上の特徴を紹介した後に、WeBank・MyBank両行の比較、そして両行と伝統的な銀行との関係性について分析していきます。

「微利」の追求

MyBankの株主にアリババは入っていませんが、筆頭株主はアントフィナンシャル。アントは厳密にいえばアリババからは独立している企業ですが、 アリババからスピンオフ(分離・独立)して誕生した企業であるため、アリババと密接な関係にあり、アリババ系企業(アリババのエコーシステムに含まれる)と考えても差し支えないでしょう。

MyBankの基礎データ

設立年月日:2014年12月16日
資本金:40億元(約596億円)
従業員数:100-499人
主要株主:アントフィナンシャル(30%)1アントフィナンシャルが30%しか占めていない理由:単一株主に対する出資比率規制(30%)、復星工業技術(25%)、万向三農(18%)

業務範囲(太字がWeBankとの相違点):

  • 大衆からの預金吸収
  • 短期・中期・長期貸付
  • 国内外の清算業務
  • 手形引受・割引業務
  • 金融債の発行
  • 公共債の発行・元利払い・受け売り業務の代行
  • 公共債・金融債の売買;銀行間取引業務
  • 外国通貨の売買・売買代行;銀行カード関連業務
  • 信用状関連サービスおよび担保サービスの提供
  • 資金の受払代行および保険業務の代行
  • 証券・投資ファンドの販売業務
  • 信用調査・照会・証明業務
  • 企業・個人向けの債務顧問サービス
  • その他銀行業監督管理機関および中国人民銀行・証券監督管理機関などの関連部門に認可された業務

それでは、WeBankについて詳しく分析していきます。

「バーコードマーチャント」しか眼中にいないMyBank

前回記事ではWeBankが軌道に乗るまでの紆余曲折を紹介しました。そしてアリババ系のMyBankに至っては、WeBankに輪をかけて増したような苦境をあえて選んだと言えるのです。

まずは融資の元手となる預金獲得。中国の「デジタルバンク」が預金獲得で直面する難題やその解決方法はすでに前回記事で説明しました。MyBankも、WeBankの「スマート預金+」に似た商品性の「定活宝」(定期預金であると同時に当座預金でもある、という意)という商品を展開しています。WeBankの「スマート預金+」とは違い差止されたことはありませんが、日次の取扱に対して中国人民銀行(中央銀行)によって上限が課せられています。

そしてMyBankは、貸付事業の対象層の選定で、あえて大きなハードルを選びました。WeBankが相手する個人消費者でもなく、伝統的な銀行が相手する中堅・大企業でもありません。MyBankが対象として選んだのは、近年のコード決済の普及によって出現した、コード決済を多用する零細企業・事業主「バーコード・マーチャント」。彼らはどれくらい零細かというと、2018年度MyBankから融資を受けた人の一人当たり平均貸付金残高はわずか2.6万元にすぎませんでした。

確かにバーコード・マーチャントへの融資は競合がほとんどいません。しかしそれにはちゃんとした理由があります。というのも、バーコードマーチャントは審査において参照できる信用情報が乏しい上に担保を取ることもできず与信審査が困難です。また、融資の需要特性は小額、高頻度、短周期(または固定しない、いつでも借入・返済可)、非計画的(その場その場で生まれる需要)です。どちらも、貸付のリスクを向上させるまたは収益性を削る要素です。伝統的な銀行がこのようなビジネスを敬遠するのも無理はないでしょう。

そのようなバーコードマーチャントを相手取ってWeBankが唱えたのは「310」の超高速融資システム。「310」とは、「3」分で融資申請を行い、「1」秒で融資が下り、その間人的な介入が「0」というのを意味します。それを可能にしたのが、MyBankおよび「親」のアントフィナンシャルが蓄積してきた、ビッグデータリスク管理に関するノウハウおよびそれを生かしたモデルです(図1)。

図1:MyBankのビッグデータ・リスクコントロールシステムの概観図
MyBank公式の紹介資料に基づき、筆者作成

モデルの詳細は非公開ですが、公開情報に基づいてモデルの出発点・設計思想を推測します。

まず、バーコードマーチャントには財務諸表などの詳しいかつ信頼性のある財務データがありません。そこでQRコード決済で行われたすべての取引の金額・日時や消費者の種類などが信用情報の大本となります。信用情報がモデルに入力され融資の可否判定、融資額、金利などの情報が出力されます。その評価は動的であり、例えばQR決済による取引を一回するごとに与信限度額が50元増える、納税記録を記入すれば与信限度額が3-10倍増える、さらに融資を受けかつ期限内に返済する回数が増えれば増えるほど与信限度額が増え、金利も下がる、といった具合で変動したりします。

このようにしてMyBankは、従来誰も手を出そうとしなかった零細事業主のニーズに応え、計1764万の零細事業主に融資を行い、総融資額が3兆元に達するという不動の地位を築きました。

自ら「微利しか求めない」と宣言するMyBank

従来の考え方だと、自らの経済圏の堀が広ければ広いほど競合者が少なく、より多くの収益を上げることができるわけですが、MyBankは自ら「微利しか求めない」と宣言し、2017年、2018年に金利をそれぞれ1%ポイント、1.2%ポイント自発的に切り下げました。

その結果、現行の日利は0.016%~0.047%となっています。年換算をすれば5.76%~16.92%といささか高く感じますが、平均的な返済周期は90日であるため、金額ベースでの金利(=MyBankの売上)はそこまで高くありません。MyBankユーザーには例えば、野菜を多めに仕入れるために借入を行い、野菜を完売したその日の昼過ぎに返済を行う野菜の販売業者のような事業主もいます。返済周期がWeBankの個人ローンよりずっと短い分、貸付の単位あたりの収益額も低くなります。ましてや不良債権率はどうしてもWeBankを上回るため、その分収益額がさらに削がれます。

では、なぜMyBankはあえて利子の切り下げをしたのでしょうか。

MyBank取締役社長の胡氏は、MyBankは「成立してからそもそも収益額をKPIとしようとせずに、ただただサービスを届けた零細企業の数および彼らの満足度を考えています。」と述べています。では、この言葉をビジネスの観点でどのように理解すればいいのか。

これからは筆者の推測になりますが、MyBankひいてはアントフィナンシャルやアリババはずっとプラットフォーム・エコーシステム志向を貫いてきました。できるだけ多くの事業者を自分のエコシステムに入れ、その中での取引を円滑にすることで利益を得るだけでなく、その仲介により得られたデータを生かしてサービスの質・量(多様性)の向上を目指し、正の循環を実現することを目標としているわけです。よって、データという観点でも仲介できるサービスの範囲という観点でも包含性が重要となります。MyBankは利益追求を控えめにしてでも、できるだけ多くの零細事業主・企業に誠意を感じさせ、アリババのエコーシステムに組み込もうとしている(すでに入っているものはもっと緊密に)のではないかと推測されます。

また、政府からの呼びかけ・インセンティブづけもきっと一役買っていると思われます。MyBankの「微利路線」という意思決定にどれくらいの影響力があったのかは知りようがありませんが、MyBankが実施している零細事業者や新たに進めようとしている農家への融資(「旺農貸」)などを含めた「普恵金融」(みんながあまねく恩恵を受けられるような金融サービス)およびサプライチェーンファイナンス(詳しくは下を参照)は中国政府の重点的な課題でもあります。WeBankと異なり高金利の預金プランが差止されなかったといったという点からも、政府との協力関係が想像されます。

無論、売上を自ら減らしながらも微利を上げるためには、徹底的なコストカットが必要です。MyBankは物理的な店舗を持たずにすべてがオンラインで完結するため、伝統的な銀行では融資一回ごとの人件費だけで2000元なのに対し、MyBankは運営費用がわずか2.3元であり、そのうち2元は電気代、ストレージの購入代金や技術投資費用などの非人件費であり、テクノロジードリブンの路線を貫いています。

プラットフォーム志向

さて、上はMyBankひいてはアントフィナンシャル、アリババのエコシステム志向について述べました。中国では「エコシステム」といったら、必ずついてくるのが「クローズドループ」です。「クローズドループ」とは、エコシステム内のプレーヤーにとって必要なサービスをすべてエコーシステム内で提供することにより、外部への利益流出を防ぎ(ループを閉じる)、エコーシステムの運営者としての利益を最大化することです。

サプライチェーンファイナンスサービスの充実化

マーチャントの典型的な課題として運転資本のギャップ(working capital funding gap)があります。すなわち、川上から仕入れを行い、買上代金を支払うときから川下(または消費者)から売上代金を回収するまではキャッシュのギャップが生まれるという問題です。

これらの問題に対して、MyBankは下の図に書いてあるように、主に3つの金融サービスを用意しました(図2)。

1. 仕入れ資金不足問題:売掛債権ファクタリング
2. 過剰在庫による資金不足問題:
(ア) 前払金の発生に基づく融資
(イ) 棚卸資産担保融資
(ウ) 売掛債権担保融資
3. 売掛金回収問題:売掛債権譲渡抵当

MyBankはサプライチェーン金融サービスの提供で「クローズドループ」を目指している。

図2:MyBankがマーチャントに提供するサプライチェン金融サービス概要
インターネットの公開市場に基づき、筆者作成

このようにして、MyBankはマーチャントが仕入れから販売まで遭遇しうるペインポイントを認識し、それぞれに対して「310」で解決策を提供することでマーチャントがエコーシステムにより緊密に結びつくようにし、「クローズドループエコシステム」を目指しています。

MyBank、WeBankの比較分析

さて、いよいよMyBankの財務パフォーマンスをWeBankと比較しながら見ていきましょう。

売上:

図3:MyBankとWeBankの売上高推移(億元)

MyBankの2018年度の売上は62.04億元を上げ、前年度に比して47%の成長を遂げました。さらに2016年を起点にCAGR(年平均成長率)を計算すれば33%になります。これはWeBankに劣りますが、利子の切り下げを含めた「微利路線」を考慮すれば、理解に難くありません。

純利益:

図4:MyBankとWeBankの純利益推移(億元)

MyBankの2018年度の純利益が6.71億元であり、前年度に比して66.1%の成長を遂げています。対前年成長率ではWeBankの70.8%にそこまで遜色がありません。しかし、2016年度を起点にCAGR(年平均成長率)を計算すれば、それが28.53%にとどまります。

売上と純利益の関係性はROE分析(デュポン分析)の箇所でもっと詳しく分析します。

不良債権率:

図5:MyBankとWeBankの不良債権率推移(%)

MyBankは融資対象である零細企業・事業主のキャッシュフロー・事業の収益性が把握しづらく安定しないことを考慮すれば、年増しに増えているとはいえ、貸付規模を拡大しつつも不良債権率が1.30%に抑えられていることは実にすばらしいといえましょう。なお、図示しているとおり、中国銀行業の平均値は2018年で1.83%です。

つけくわえていうと、2019年に新しく取締役社長に就任した胡氏は「不良債権率は5%まで許容範囲内であり、これからはより多くの屋台(の経営者)、女性起業家、家族経営の小さな店により多くの信用ローンを提供してゆく」としています。微利の追求による金融包摂路線を進むとのことですので、不良債権率がさらに上昇するリスクもありそうです。

預金吸収額(累計):

図6:MyBank、WeBankの預金吸収額(累計)の推移(ストック、億元)

これはおそらくMyBankの成長に関して最も顕著なボトルネックでしょう。先述したように、2018年にMyBankはWeBankと似たような高金利の預金プランを展開しながら、よりリスクの高い経営者に融資を提供していくと言いましたが、預金規模の増加額・率ともに全くWeBankに及びませんでした。

具体的には、2018年の預金吸収額は178.11億元増加し、増加倍数は1.7倍でした。これは同期間のWeBankの1491.4億元、28倍弱の増加に比べれば、間違いなくMyBankの将来の収益性に関する一つの懸念材料になるのでしょう。

図7:MyBankの預金吸収額(ストック、億元)および負債総額に占める割合(%)の推移

また、預金吸収額の負債総額に占める割合は2018年に47.49%となり、銀行間融資の割合が39.12%に落ちました。しかしそれはまだ三分の一のレッドラインを超えており、MyBankにはこれからも預金吸収額の増大を図る打ち手を積極的に講ずる必要があるのでしょう。

ROAおよびROEに基づいたデュポン分析:

表1:MyBankデュポン分析 注:自己資本額(事実上所得者権益額が使用される)と総資産額の算出には平均値((期首値+期末値)/2)を使用

MyBankの2018年度のROE、ROA、財務レバレッジはそれぞれ13.35%、0.77%、17.32であり、ROEもROAもWeBankに劣る結果となりました。

ROEのドライバーを分析すれば、2017年から2018年にかけて売上高純利益率(収益性)、総資本回転率(効率性)、財務レバレッジの変動がROEに及ぼす影響はそれぞれ1.39ポイント、1.62ポイント、1.30ポイントであり、すべてのドライバーにおいて上昇が見られました。

因子分析は2017年度のROE数値をベースにし(0回目)、三回に分けて2018年度の財務レバレッジ、総資本回転率、純利益率をそれぞれ代入していき(変動の度合いが大きい順に)、それぞれのドライバーの変更がROEに対する影響を「今回の代入で結果となるROE数値引く前回の結果として出るROE数値」で割り出しています。順番によって結果が異なるため、具体的な数値ではなく、数値の大きさの順番に注目すべきです。)

なかでも、総資本回転率の上昇がROEの上昇に最も影響した要素といえましょう。また、レバレッジが高い分、ROAが0.77%となっており、銀行業の平均値である1%前後より著しく劣後していることがわかります。

また、売上高純利益率を分解すると、(純利益/EBT)からなる納税額管理効率および(EBT/売上高)からなる税収以外の費用を管理する、費用管理効率が得られます。この二つの指標とも2018年に改善したため、MyBankの諸費用管理効率が上昇したといえます。

展望

評価点:

  • 広い「経済の堀」
  • シナジー効果

懸念点:

  • 貸付総額増加のボトルネックとなる「預金規模」

WeBankに比べ、MyBankは銀行間融資の割合がまだ高く、その分普通預金より高い金利の支払いを余儀なくされている一方、貸付総額の増加にも制限がかかっており、収入に大きな悪影響が出ています。そのため、MyBankの最大の急務は預金規模の拡大にほかならないでしょう。

MyBankの自己資本額は53.65億であり、WeBankの119.40億の半分にも満ちません。また、貸付のリスクウエイトはWeBankより高くなりがちです。そのため、不良債権率の高さをも考慮すれば、MyBankは自己資本額ではなく預金規模(=負債)のみを大いに増やすことができるとしても、WeBankの負債総額に追いつくはるか前に資本充足率の規制10.5%に引っかかるでしょう。おそらくMyBankもこのボトルネックの深刻さを意識しているらしく、ロイター社の報道によると2019年7月時点で60億元近くの資金調達を図っている様子です。

一方、預金規模の拡大の方では、公式サイトを確認したところ、MyBankはどうやら個人向け資金運用サービスを停止したらしく、サービスメニューにおける「お金を殖やす」欄(MyBankにとっての有利子負債)の下には、法人向け資金運用サービス「余利宝」しかなくなっています。

さて、MyBankは負債総額にも自己資本額にもボトルネックを抱えているなか、一体全体どのようにこの難題の解決を図るのでしょうか。やはりこれからのMyBankの動向には目が離せませんね。

デジタルバンクと伝統的銀行

以上では、MyBankとWeBankというデジタルバンク2社について、コンプライアンス、ビジネスモデル、財務パフォーマンスという視点で分析してきました。彼らと伝統的な銀行との間で一体どのような力学が働いているのでしょう。

まず、コンプライアンスの面では、上でも述べたように、両行は位置づけ上基本的に実店舗を設けない方針を取っているため、ユーザーは遠隔にしか口座を開設することができません。元々の法整備の趣旨はどうであれ、それにより預金吸収が困難になっています。となると、両行は否応なしに他の銀行と協力することが迫られ、現に両行が自らの集客力をアピールし、リスクコントロールに関するノウハウを提供しながら、融資の元金を出してもらう構図ができあがっています。つまり、両行は伝統的な銀行よりかは「銀行免許を持つインターネット・フィンンテック企業」と見たほうがいいかもしれません。

しかしここで注意すべきは、両行の協力銀行は基本的に中小規模の銀行だということです。これもよく考えれば非常に自然なことで、中小規模の銀行は基本的に集客力にかけ、リスクコントロールに関するテクノロジー開発にもあまり注力していないため、両行の価値提供はまさに願った叶ったりというところでしょう。

これは裏を返せば、五大銀行をはじめとする大手銀行、つまり集客チャネルが豊富にあり、リスクコントロールシステムの開発も可能な銀行にとっては、両行は警戒すべき存在となります。デジタルバンク両行の業務は本質の「テクノロジーで預金、貸付をより早くする」という点では銀行の業務と根本的な違いがなく、かつ彼らは膨大な量の「データ」を持ち、ハングリー精神にも富んでいるため、万が一法制度が彼らに有利になるように改正されれば(前回記事で紹介したII類口座の制度の廃止など)、彼らは間違いなく中国の銀行業界を揺らすことになるでしょう。

そのため多くの大手銀行は現に、両行向けにはAPIを開放しない、非銀行による個人レンディングサービスを2回以上に行った者(※)に対しては貸付を行わないなどの対抗策を講じています。

(※)個人レンディングサービスを使うと、業者が中央銀行の与信システムにアクセスして与信情報を取得します。伝統的な銀行は、特定の個人に対しての与信情報検索歴を取得することができるため、フィルターをかけて(2回または指定した回以上に個人レンディングサービスを使ったもの)選別することが可能です。

底知れぬハングリー精神

さてさて、書き始めの段階でこのようにも長くなることは想像だにしませんでしたが、いよいよまとめです。手短にこの長文を締めくくりましょう。

WeBankとMyBankは同様に「デジタルバンク」のスローガンを掲げながら、まったく違うビジネスモデルをとっています。この違いこそテンセントとアリババ両社の成長戦略の違いを顕著に表しています。

テンセントは「プロダクト志向」であり、事業間のシナジー効果よりは自己のSNS系アプリが誇る送客力を活かしながら、それぞれのサービスの収益性最大化を別々に図っていく(WeChatとQQの部署間の競合関係など)ことが特徴でしょう。

一方、アリババは「プラットフォーム志向」を持っており、個別のサービスの収益性よりは事業間のシナジー効果を最大化しながら、ユーザーのありとあらゆるニーズを満たせるようなプラットフォームを築くことでユーザーをロックオンするような戦略がいたるところに見られます。

しかし、戦略の違いこそあれ、両者ともに持つのが底知れぬ「ハングリー精神」です。どの業界であれ、ネット技術でディスラプトすることが可能となったとたん、両者は一刻も早く突入し、熾烈な戦いを繰り広げます。銀行業はコンプライアンス上の事情でどんでん返しを免れましたが、さて次に震撼される業界はどれになるのでしょう。